複数のページからの引用

【塩素】

食塩のアニオンとして知られる代表的なハロゲンです。単体は黄緑色の気体で毒性が強く呼吸困難を起こします。水道水の殺菌に使われます。塩化物イオンは塩酸などに含まれる金属を腐食する作用が強いです。食品包装用ラップフィルムに使われる塩化ビニルなど塩素を含む樹脂を焼却するとダイオキシンが発生する可能性があります。塩化ナトリウム水溶液を電気分解するイオン交換膜法で製造されます。塩素を水酸化ナトリウム水溶液に通じると漂白剤として知られる次亜塩素酸ナトリウムを生じます。

【参考資料1】
トリハロメタンはプール水の塩素殺菌による副生成物として発生します。塩素自体は水中の細菌の発生増殖を防止する効果があるものの、塩素を添加したことによって有害なトリハロメタンが発生してしまうのです。
 トリハロメタンはプール水中の有機物の老廃物等に含まれるフミン質と塩素が結合して生成します。
 また、揮発しやすいのですが、空気の3倍以上重い気体であるため、換気等による除去が困難であり、プールの表面に漂います。もっとも問題とされる点は、トリハロメタンは発がん性があり、また、人体への悪影響が多数報告されている点です。

 プール水中で生成されたトリハロメタンは揮発性が高いため、空気中に放出されます。空気と比較して非常に重いトリハロメタンは換気されにくく、プール表面に漂い、プール近くにいるすべての人に呼吸によって取り込まれます。
 従ってプールサイドにいる人はすべてトリハロメタンによる障害の危険性があります。 トリハロメタンの含まれたプール水に接触したり、プール表面より揮発してプール表面に漂うトリハロメタンを人が吸い込むと、トリハロメタンは人体に入り、腸壁から吸収されて脂肪の多いところに入り込みます。トリハロメタンは脂肪に溶けやすく、なかなか排泄されません。それらは体内に蓄積され、濃縮されていくのです。

 実験では、体重1Kgについてトリハロメタンの量が3mgを越えると、発ガン率が50%以上になるという結果がでています。

 また、カリフォルニア州保健局でトリハロメタンと流産の関係が調査されました。妊婦5,144人の記録を調べますと、トリハロメタン75μg/l含む水道水を飲む
女性は、流産の危険性は、曝露が少なかった女性の9.5%と比較して、15.7%にのぼると算出されております。
 日本でも2001年7月の改正により基準値が0.2mg/Lと設定されました。しかし、揮発滞留性、皮膚吸収性等を考慮すると、飲料水よりも厳しい濃度管理が必要であると考えられます。ドイツのDIN基準では『0.02mg/L以下』とされております。


【参考資料2】

1.トリハロメタン

トリハロメタンとは、下水処理場やし尿処理場の排水や水中に含まれているフミン質(有機態窒素化合物)や親水性酸などと消毒剤として用いられている塩素が反応して生じる消毒副生成物です。
トリハロメタンは発ガン性が確認されたことによって、水質基準が決められた初めての有害化学物質です。

2.なぜ、水道水中に溶け込んでくるか

浄水場で消毒の為に添加している次亜塩素と、水道原水の富栄養化により増加しているフミン質や親水性酸等の有機化合物が化学反応することにより発生する副生成物質です。

3.水道水中にどれくらいの濃度で溶けているか

水道局の調査では、平均0.028mg/l(最大値で0.045mg/l)のトリハロメタンが、一般家庭の水道水中から検出されています。日本国内でのトリハロメタンの水質基準値は0.1mg/l以下ですから、基準値の1/3以下ではありますが、アメリカ国立がん研究所(NCI)では、「わずかな量でも発ガン性物質を取り込むと、何らかの危険が生じ、その積み重ねは危険の増大を招く」と忠告しています。しかし、国内の水道水も、ドイツの水道水質基準値0.025mg/lなら日本の水道水のほとんどが飲料不適の水となります。

4.トリハロメタンの人体への影響

発ガン性、腎毒性、腎臓腺腫、肝毒性、肝細胞ガンなどを誘発することが明らかになっています。

5.どうすれば、取り除けるか

トリハロメタンはご存じのように、−度沸騰させれば取り除けますが、沸騰させると水道水中の揮発しない有害化学物質(硝酸性窒素やホルムアルデヒド)や有害金属(水銀や鉛)を濃縮することにもなります。
活性炭方式の浄水器では、トリハロメタンを除去することは非常に困難です。
※トリハロメタン類の最小分子の大きさは約0.0028ミクロンです

6.水道法水質基準について

  日本の水質基準(総トリハロメタン)・・・・・0.1mg/l以下
  ドイツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.025mg/l

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